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2023/09/05【コラム】扇子の歴史
こんにちは、舞扇堂WEB店です。
今回は、扇子の歴史についてご紹介します。

■ 扇子の起源

扇子の歴史は古く、平安時代の初期に当時の筆記用具に代えて使用されていた木簡(もっかん※1)から派生し、記録用として木簡を綴じ合わせる必要から最初の扇「桧扇(ひおうぎ)」が京都で誕生しました。
現存する最古の扇は、元慶元年(877年)と記された、京都・東寺にある千手観音像の腕の中から発見された桧扇です。

故事では天長年間(824〜833)に建立された御影堂(みえいどう)で滅亡した平家の玉織姫が寺僧と共に租扇(阿古女扇・あこめおうぎ)を作ったのが京都における扇子の発祥とされています。
 

■ 平安時代以降の扇子

桧扇は宮中の女性が常に手にするようになり、平安時代中期には美しい絵が彩られるようになりました。
桧扇に次いで蝙蝠扇(かわほりせん※2)が作られ、平安時代後期になると、骨に透かし彫りをした「皆彫骨(みなえりぼね)」や「透扇(すかしおうぎ)」が出現しました。
しかし、平安時代において扇子は朝廷・貴族の服飾品や遊芸用、僧侶・神職たちの儀式用としてのみ使用され、庶民の使用は禁じられていました。

鎌倉時代になると、禅僧らによって日本の扇子は中国に渡り、室町時代にはその扇が逆輸入され、両面貼りの扇が日本で作られるようになりました。

室町時代からは庶民の使用が許可され、武家文化の影響により能・演劇・茶道にも取り入れられ、広く用いられるようになりました。

江戸時代には、扇子づくりは冠や烏帽子づくりと共に「京の三職」として官の保護を受けるほど重要な産業となり、扇売りや地紙売り行商人も出現すると同時に、扇子が庶民の日常生活に普及し必需品となりました。

その後、江戸後期には海外市場を確立するまで拡がり、貿易扇として大正時代中期まで盛んに輸出されていました。 しかし、現在ではほぼ国内市場のみとなっており、京都の伝統産業として継承されています。

(※1)長さ30cmぐらいの木片
(※2)広げた形がコウモリの羽に似ている片面に扇面紙を貼った紙扇

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